新型コロナ感染症に対策におけるみなし社員総会決議について

1.みなし社員総会決議とは

「みなし社員総会決議」(以下、「みなし総会」と呼びます。)とは、実際に総会を開催せずに議決を採る総会のことを言います
法人の機動的な運営を促進するという観点から、社員(正会員)全員が書面または電磁的記録により、同意の意思表示を示した場合、議決することができます。

1人でも反対や棄権があった場合は、総会の開催が必要になるので、注意が必要です。「みなし総会」をうまく利用することで、議決するためにわざわざ集まることもなく、スムーズな運営をすることができます。

「みなし総会」は、議決があったものとみなされるだけで実際には開催されませんので、「議長」もいませんし「出席した」という概念もありません。

「みなし総会」をする場合は、定款に「みなし総会」開催に関する規定が必要と言われていますが、『特定非営利活動促進法』第十四条の九 社員総会の決議の省略で認められているため、定款に書かれてない場合も認められます。(推奨しないというご意見もあります。)

(社員総会の決議の省略)
第十四条の九 
理事又は社員が社員総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき社員の全員が書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして内閣府令で定めるものをいう。)により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす。
2 前項の規定により社員総会の目的である事項の全てについての提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該社員総会が終結したものとみなす。

2.みなし社員総会決議の実務
みなし社員総会決議の流れ
① 理事会で提案事項を議決します。
② 社員全員に提案書(と併せて同意書及び議案書)を発送します。
③ 社員が同意書に意思表示をして返送します。
 ※メールでの同意も可能ですが、「なりすまし」回避の為、書面を使用する場合が多いです。
④ 社員全員の同意書を受け取り、議決をします。議決の成立日は最後の同意書が到着した日です。

山形市が出しているNPO法人運営の手引き
「第3 章 管理・運営について」のP67・P68 みなし社員総会決議の実務に
「(2)提案書の作成例 」「(3)同意書の作成例」「(4)みなし総会の議事録の作成例」が掲載されていますのでご参照ください。


みなし社員総会決議 議事録の例とフォーマットはこちらをクリックするとダウンロードできます。